今日もビショップ　INVERTERE　DUFFEL COAT

〈INVERTERE〉がイギリスのニュートンアボット中心部で創業を開始したのはなんと1904年。不況なども影響し一時は空白の時間を設けざるをえなかったものの、復活を遂げた2013年以降もイングランド製を貫く骨太な老舗だ。継承してきたカッティング、縫製、そして仕上げ技術は品質と耐久性を担保し、素材選びにも妥協はない。現にこちらのアイテムに使用したのは英国の名門ファブリックメーカー、ジョシュアエリス社の上質なヘリンボーンウール。牛革のレザーループに水牛のトグルボタン、そして裏側はオールパイピング仕上げと、まさに重箱を突っつく隙すら与えない完璧な仕上がりである。と、ここまで聞くと、伝統を重んじる国出身ということもありどこかお堅い印象すら抱かせるが、シルエットは今のシーンに寄り添う、肩が程よく落ちたリラックスフィット。伝統に則るだけでなく、新時代に適応するだけの懐の深さも併せ持っているというわけだ。そういえば、ダッフルコートと双璧をなす同社の代表作にリバーシブルコートがある。1900年代当時は、その画期的なアイデアで多くの人々を驚かせたという名作だ。それを考えれば、今回のシルエットの妙も納得できるというものである。